■代表的なペーパードリップ方式 <メリタ式> 西ドイツのメリタ・ベンツという奥さんが、夫のために美味しいコーヒーを提供しようと思って研究・開発した元祖ぺーパードリップ方式です。140年以上もの歴史があります。 一つ穴フィルターが特徴で、30秒ほど蒸らしたあと抽出したい杯数分だけ一度にお湯を注げば良いので、特別な細口のケトルや技術を必要とせず急須などでも代用できます。 一つ穴なので、注いだお湯が勝手にフィルターに調節されながらゆっくり抽出されます。 だからお湯を細く、豆のふくらみ加減を見ながら何度も分けて注いだりしなくて良いのです。 じっくり蒸らして、すり切り一杯まで静かにまわしながら注ぐだけ。 その合理性には惚れ惚れします。 いつ、どこで、誰が使っても、同じように、手軽に失敗せず、美味しいレギュラーコーヒーが落とせるので、細口ケトルを持ってない人には絶対おすすめです。 私は朝がめちゃくちゃ弱いので、寝ぼけていたり忙しくて時間がないときは、いつもメリタを愛用しています。じっくり落とすのが面倒くさいときや、とりあえず「気軽にコーヒーを飲みたいとき」にもメリタは最適です。 それから、アウトドアや旅行先など、本格的な細口のドリップ器具が用意できない場合にも、きっとメリタが活躍してくれますよ。 高価なコーヒーメーカーなど買わなくても、200円ちょっとでこのドリッパーを購入してみるのはいかがでしょうか。故障の心配もないし、場所も取らずに衛生的ですし。 ペーパーは共通規格なので、カリタも使えます。 通常のものは透明で、写真のスモーク色のは「アロマフィルター」という改良モデルなのですが、どちらでも美味しく仕上がるので、安い普通ので十分です。 私はサーモスの350ml水筒用に普通の2杯用も買いました。 さぁ、今すぐアピタへGO!!です(笑) <カリタ式> 日本のカリタです。専業メーカーだけに、ここの器具はハズレがありません。 自動車メーカーでいうところのトヨタですね。器具を揃えるならカリタで安心! ドリッパーはメリタと違い、カリタは3つ穴が特徴で、湯を4回くらいに分けて注ぎます。 3つ穴のドリッパーは、湯の落ちるスピードが早いので、初心者の方が何度も繊細なコントロールをするのが難しいですが、上手に淹れればうまみのあるクリアな味に仕上がります。 欠点というか、先述した「スッキリと、クリアに仕上がる」というのは、ハリオのV60ドリッパーもそうなのですが、裏を返せば細〜くしっかりと注げないと、豆本来の持ち味が抜けてしまいがちです。だから、ドリップ用の細口ケトル(ポット)は必要になります。 プロと普通の人の違いは、ほとんどこの熟練度の差なのです。プロは、細い湯をコーヒー豆の鮮度やふくらみ具合など見ながら、しっかりとコクを引き出し、雑味も抑えるよう上手に調節しながら、安定して注げるのですが、それには頭を使いながらの何十回・百回という実践があるのです。 美味しいペーパードリップには、後述するコーノ式もありますが、湯の落ちるスピードに違いがあるので、まずはカリタで練習してペーパードリップの基本を身に着けてから、他の器具にも応用していくと、表現の幅が広がるように思います。 ちなみに、私がよく使っているのは、ボンマックの3つ穴ドリッパー(最初の写真/右のグレー)で、カリタよりも微妙〜に落ちるスピードが遅いのでじっくり味を引き出せると思うのと、残りかすがV字状に落ちるカリタに比べて、ボンマックは粉がより円に近い形にまとまるのが気に入っています。全国の珈琲館で入手できると思います。 最近、入手した三洋産業のドリッパーは、サイズによって穴の数が異なりますが、これもなかなか優れています。淹れ方はカリタと同じで、何度かに分けて抽出します。 三洋のドリッパーは、カリタよりも角度を狭くして粉の層をより深くとる設計で、抽出速度もコーノの「ドリップ名人」に似ています。細かいところでは、内側のリブが穴の位置まであるのでペーパーが穴を塞ぎにくく、また抽出穴の出口がつき出しているため抽出エキスが迷うことなく下に落ちていきます。三洋産業は、じつはコーノのドリッパーを作っている会社なので、プラスチックの質感はとても似ているし、専業メーカーとしてのノウハウもあるのです。 このドリッパーには、有名店の「カフェ・バッハ」さんが携わっています。 実物をなかなか見かけませんが、THREE FOR(スリーフォー)というブランドを扱っている店舗なら入手できる可能性が高いです。ちなみに、ジョイフル本田で見つけました。 <コーノ式> <ハリオ式> |
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