映画レビュー「お」


<黄金狂時代>
 正しくは「チャップリンの黄金狂時代」かな。
2007年の夏ごろまで、500円でチャップリンの名作DVDシリーズが販売していたのですが、突然著作権問題に引っかかって回収騒ぎが起こりました。
私は油断していたので、この作品しか購入していなかったのですが、慌ててお店に駆け込んだ時には間に合わなかった…。当時、仕事が夜勤だったので昼夜を問わず北関東一体を探し回ったんですヨ…。思えばラジオや新聞で報道する頃には、とっくに回収されていたかもしれないのにね。はぁ…回収早すぎだっちゅーの。。
 さて、これはゴールドラッシュの雪山をめぐる人々の騒動です。
その中にチャップリンがのん気にやって来ます。そこで警察から逃れるために雪山へやってきた殺人犯と、山小屋の中で鉢合わせてしまいます。
外には猛獣クマちゃんがいるし、吹雪で身動きがとれない。やがて空腹が襲ってくる。
あまりの空腹で幻覚まで見えてくる。とうとう煮込んだ靴まで食べてしまうなんて…。
食うや食わずのチャップリンの生い立ちを想像してしまって、やるせなくなる…。

 じつは私も食べ物にはこだわりがあります。大学生になっても、いつもお腹をすかせて本ばかり読んでいましたね。弁当代を貰っても、一番安くてお腹がいっぱいになる100円のマックチキンを2コ食べて、ポケット瓶のウイスキーと、飽きたらたまーにチーズバーガー。残りの100円玉を手に、チャリンコでブックオフに通う毎日でした。ハハハ…。

 さて…。てんやわんやの大騒ぎがあって、麓に戻ったチャップリンはステキな女性と出会い、甘い夢を見ます。あの人たちのために、ささやかなパーティーをしてあげようと食卓の準備するチャップリン。でも、あの人は来てくれるだろうか…という期待と不安。喜ばせようとフォークに刺したパンを足にたとえて、食卓ダンスも踊ってみる。
 でもつかの間の夢だった…。というオチがあり、彼は喜劇王なんだけれど、いつもどこか人間の寂しい部分を持っているなぁ…と思わせてくれます。私は山育ちだけど、もし海が近かったら船に乗ってチャップリンのように遠くへ行ってしまうかもしれない。

 このチャップリンのワンコインDVDシリーズは、現在レンタルか中古でしか手に入らないけれど、脚本の力と、どこまで演技できるかという気迫も感じられる作品群なので、ぜひ手にとってみてほしい。NHKはもう深夜のチャップリンは放送しないのかなぁ…?


<オーロラの彼方へ>
 「ショーシャンクの空に」と並んで、「今までに感動した映画」というふれこみで人気のこの作品。タイトルがややこしくて、私はどっちがどっちだか分からなくなりそうです。
 これは少年時代に父親を亡くした警官の男が、あるとき故障していた父の無線を持ち帰ってくると、まだ自分が幼かった頃の父親と時を越えて交信できてしまう奇跡のストーリー。その原因は、ここ数日間 空中に不思議なオーロラ現象が起きていることにあるようです。
 男は少年時代に、消防士の父親が死んでしまった過去のトラウマを持っていたのですが、あの日の事故を起さないため父親に違う選択肢をアドバイスします。
 だが時空を超えた出来事がまだ信じられない父親に、息子は互いの趣味であるベースボールの試合結果を教えて、それを証明します。
息子は父親を必死に説得するのですが、やがて避けられない「運命の日」がやってきてしまいます。壮絶な火災現場で、もはやこれまでかと思う父親。その脳裏に息子のアドバイスが蘇り、父親はついに助かります。
 しかし、運命を変えてしまったことから、タイムパラドックス(時間的な矛盾)が発生し、彼らの人生にはこれまでとは違う危機が訪れてしまいます。

 作品はここからが猛烈な展開を見せてくれて、過去の出来事を振り返りながら変わった出来事を処理していくのですが、あとはハラハラするから続きを見てくださいとしか言えない。
 空にあるオーロラは次第に消えていってしまうし、地元で起きた凶悪な事件はまだ解決していないし、父さんどうしよう!


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