映画レビュー「わ」


<鷲は舞い降りた>
 どこかで聞いたタイトルだと思いながら観てみた。冒頭のわずか数十秒、上空から地上の山を映しているカットを観た瞬間に「あっ、これはイケる。」と直感した。その勘は間違えていなかった!
思い出してみたら、これはジャック・ヒギンズ原作の傑作SF冒険小説であった。これに並んだ傑作冒険小説の『深夜プラス1』は私の愛読書の一つである。もう面白い本は無いと思っている人には、ハヤカワ文庫のSF古典を当たってみることをおすすめしておく。

 ストーリーは第二次大戦中、ドイツ軍のあげた戦果に気を早めたヒトラーは、英国首相のチャーチル暗殺という無茶な命令を出した。これにノーといえるわけがない。しかしアイルランド系の反イギリス主義者の工作員(主人公)と、彼の手引きでパラシュート降下するドリツ軍の精鋭たちの一大作戦が幕を上げたのだ!いや〜思い出しても興奮するな!
 設定も戦時中の実話じゃないかと思うくらい良く出来ている。反イギリスのレジンタンスや、あえてドイツの制服の上にイギリス軍の変装をする精鋭たち。チャーチルの訪問する目標地域の村人と軍人のやりとりなど、それぞれの立場や思想がよく現れている。
 勇敢な鷲たちは潜入するのだが、いよいよ目標のチャーチルが訪問する間際になって、思わぬトラブルが発生してしまう。そこからの展開はビデオを探すか、是非小説を読んで欲しい。

 『ナヴァロンの要塞』はDVDがあったけど、これは全然見つからないんだよな〜。戦争映画の中では、フィクションでも間違いなく傑作に入るはずなのに。


<私をスキーに連れてって>
 ホイ・チョイ・プロダクション製作のむかし若者の間で大ヒットした映画。日本にバブルと呼ばれた時代がありましたが、そのころかも。90年代初頭、苗場スキー場のゲレンデが一番オシャレな時代があったのがこれです。(今は日産エクストレイルでスノボに行くのがナウイんだっぺよ。)
 で、ホイチョイさんの作品は、他に「メッセンジャー」などありますが、いつも新しいムーブメントを取り入れて、その遊び方までさり気なく啓示しながら恋愛ストーリーに仕上げてくれるんです。大学の先生も昔これのマネをして、当時流行のクロカンやトヨタのセリカなど乗り回し、ルームミラーにぶら下げたストップウォッチを手にして「ヨーイ、ドン!」したそうな。(笑)
もちろん、ドアを開けて、手で路面温度を確かめる事も忘れません。
 ところが、先生の話にはオチがあって高速道路のチケットを清算しようとすると、区間距離から機械がタイムをはじき出して、料金所のオッチャンに平均時速○○○kmとバレでしまったらのだ。ぶっちゃけ、ものすごい速かったです。(笑)恐らく走った区間ほぼ全開ちゃうかナと。

 そんなわけで、料金所のオッチャンに説教されて、喧嘩した人の話はさておき。
東京のオフィスで働く若者男女たちが、ゲレンデを舞台に恋物語になるんですよってお話です。夜のスキーで明るいライトを背負いながら滑走したり、スキー板とストックでベンチを作ったりするなど、当時はこんな遊びがあったのね。
(どうでもいいけど、振り返るとあんな趣味に結構大金つぎ込んでいたんだなぁ…)
(流行を追うと、それが過ぎ去ったときが悲しいネェ…と思いましたワ。)
さきの先生がおっしゃったように、当時はコピーをとる際に「ゼロックスしてくれ」というセリフもありました。

 ま、スキー場に行くときはくれぐれも映画のような「行け行け〜」ドーン!ガッシャーン!!ってなスリップ事故に気をつけてくださいね。
4WDにスタッドレスタイヤでも滑って危ないから。。


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