09.11.12



エアクリーナーの小加工。

 あけましておめでとうございます。
今回は人もバイクも、新鮮な空気を吸うことは大事というお話です。

内燃機関の基本はやはり「良い圧縮、良い混合気、良い点火」ですが、フューエル・インジェクションは常に理想的なコントロールができるので、エミッション対策(排ガス規制)で壊滅寸前のバイク業界は、これを採用せざるを得ませんよね。
 いつも私が思うのは、「今のマシンはつまらない」という乗りもの好きがよく言う嫌なセリフですが、じゃあ昔と今じゃあ何が違うのかってことです。オッサン達のノスタルジーなのか?…いやいや他にも理由はありそうだ。
思うに、エンジンの形式は昔も今もそれほど変わらないのですが、それを制御する補器類やトータルバランスが洗練されてきたからじゃないかな?私はよくクラシックカーのイベントに行くけれど、ブリブリリリーッと白煙を吐きながら走る旧車を見ると、あんまり良い燃焼しているように思えないんですよね〜…。乗ると楽しいんだろうけど。

 で、私のカブ。C90なので燃料供給はキャブレーター方式です。
↓ FIとキャブレーターの違いを分かりやすく紹介してくれたのは、以前紹介したこの本です。



 すごく大ざっぱにいうと、キャブレーターはエンジンの吸入空気量(負圧)と連動しているから、アクセルを開けた瞬間からスムーズにパワーが出る。システム全体で燃料供給を行う理にかなったものだが、その反面ジェットやニードルを一つ変更しても全体に影響が出やすい、と。
 つまり、ろくなセッティングも出来ないのに自己満足で吸排気系パーツを取り換えた場合、その影響は「悪影響」になるともいえるわけです。パワーアップしたいからと、単純に社外マフラーやむき出しタイプのエアクリに交換しては「不調だ!」とユーザーが騒ぐのはいつの時代も変わらず…。

 とりあえず、昔ながらのキャブレーターはフィーリングがスムーズなので、それが人間の波長とリズムが合うんだなと、アナログレコードみたいな結論に至りました。

 じゃあ、概要が分かったところで、チューニングに入りましょう。
2000と何年かは忘れたけれど、排ガス規制がありC90はメインジェットが85番→82番に変更された(キャブの品番も変わった?)らしいので、85番に変えました。南海部品で400円くらいだったかな?
 でも力強さはアップしたかというと、正直よくわかりません。なぜならFスプロケットも一緒に交換したし、カブのエンジンの調子は毎日違うからです。(笑)
ただ、メンテナンス本を見ながら自分でキャブを分解したので、しくみが少し理解できたことは大きいですね。実走行でも特に問題なく、80キロは出せるから国道も走れます。


 次に私がした事は、エアクリーナーの点検です。どんなのだっけ?と確認したくて。
5,000km走行しても、フィルターは綺麗でした。


 フロントカバーを外した状態です、なかなかカッコイイですね〜。


 すると、窮屈なスペースにエアクリBOXがあります。




 ↑ プラス2番のドライバーで上のカバーを外すと、フィルターが見えます。
この4本の煙突から空気が入ってきて、フィルター上部の鉄板にぶつかります。
だからエアクリBOXは全天候に対応するわけで、安易に外すべきではないのです。
 もう一つの理由は、空気の「充填効率」でしょうか。
エアクリBOXはサージタンクの役割を果たして、吸気バランスを保つように思います。
ヘルメットのシールドを上げた状態で50キロ以上出して走ると、風圧で息がつまってしまうのを想像してもらえば分かりやすいと思います。




 ↑ 今回気になったのが、この煙突です。
先端の形状がテーパー状になっており、太さも長さもおそらく計算されているのだろうと思われますが、PP樹脂の成型バリが気になったので、タミヤ模型の棒ヤスリでシャコシャコと整えてみました。内側の段付きもね。
 小指の先が引っかからなくなるまでヤスリで磨いてから、取り付けて走ってみたところ、空気のバサバサ音が聞こえるような気がします。プラグをよく閉めなかったときの排気漏れの音に似ているなぁ。あるいは、ファンネル効果がでたのかも?
 フロントカバーとかネジとか、まだ振動に馴染んでいないような感覚なので、とりあえず本屋さんまで走った帰り道。エンジンの反応がよくなりました。まるでイリジウムプラグに変えたようにです。
 寒い季節だから、空気密度が高いせいもあるのだろうけど、スロットルを開けた瞬間からパワーがスーッと出ているのがわかります。じゃあ、カブが実際に動き出すまでのタイムラグは何だろう…?と考えながら走ってみると、どうやらロータリー・ミッションの駆動ロスと、チェーンの駆動ロスによるところが大きいんじゃないかと。(あくまで想像ですが…)

 そうしたら、しめたもの!今までシフトショックをエンジンの回転数で考えていたのが、吸入空気と駆動ロスをイメージして走るようになって、走りがスムーズになりました。わかるかな??
うーんと、要するに…メカのひとつひとつがイメージできるようになって、思うような走りが実現できたということです。

 誰でも免許さえあればクルマに乗れるけれど、そのしくみをイメージしながら走れるようになることは、スムーズに走る上で欠かせないということです。




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